現状維持バイアスの対策をするなら、心地よい場所から離れよう

現状維持バイアス

やっちです。

東日本大震災が起きた2011年から、バイアスやパラダイムシフトについてよく触れるようになりました。

本を多く読んだのもありますが、現地に行ったり、都内への移住者から話を聞いたこともあり、現実とメディアが提供する情報のギャップを知りました。

あの頃は25歳で社会人3年目。

まだまだ若い自分は、世界が思い込みでできていることを知り絶望したことをよく覚えています。

とはいえ、それはそれであり、この世界で僕は生きています。

この世界で生きている以上は、より生きやすい世界をつくるために何かできることないかなと思って生きることにしました。

最近、現状維持バイアスの深刻性についてよく叫ばれるようになりましたね。

特に選挙において見られる現象で、たとえば「とりあえず自民党に投票しておこう」です。

また、新しい動きを見せる政党、過激な発言をする候補者はとりあえず見ない、など。

この大改革時代、現状から抜け出せない人が多くいる中ではありますが、そろそろ変わらなくてはいけない時期にきています。

今回は、なんで変わらなきゃいけないの? ということを改めて考えてみましょう。

 

 

変わらなくてもいい時代

 

戦後、私たちは復興のためにたくさんのモノづくりに奮闘しました。

作ればモノが売れ、新しいものが出る度になんの疑いもなく消費者はモノを買いました。

そして生活に潤いができて、およそ生きるのに困らないぐらいのモノが揃いました。

いい大学に入っていい会社に入れば、人生は安泰で、60歳になれば引退し、年金で暮らしていけばよかったのです。

人口も増え続けていたので、生産と供給においても将来設計を立てやすい時代でした。

若い頃は勉学に勤しみ、社会人になり、収入が安定した頃には結婚のことも考え、家庭を持ち、子どもを育て上げ、老後を迎えるというストーリーが一般的です。

このストーリーになんの疑いもない時代が、「変わらなくてもいい時代」です。

 

 

変化したくてもできないのが現状維持バイアス

 

時代は変わりました。

モノを作っても売れません。

人口は減っています。

雇用や収入が安定しません。

いい大学に入っても、いい会社に入っても、人生が豊かであると感じる人が減りました。

将来設計がとても難しくなりました。

目に見えて目まぐるしくまわりの状況が変わっているのに、これまでと同じやり方を繰り返している人が大半です。

これが、現状維持バイアスの恐ろしさです。

頭では、今までのやり方が通じないのだから、やり方を変えなくてはいけないとわかっています。

しかし、思っているように動けず、同じように1ヶ月、1年が経ち、「今年こそ」と言い続けます。

理由のひとつとして、進学のとき、就職活動のとき、結婚のとき、仕事で困難を乗り越えるとき、私たちは節目でとてもエネルギーを要することを知っていることが挙げられるでしょう。

いつしか苦しさを拒み、「このままのほうが楽だ」と考えてしまうと、腰を上げるのがどんどん重くなってしまうのです。

軽度の現状維持バイアスは、どんどん重くなっていき、自分で対処できないほどになっていってしまいます。

変化したいと思える人はまだいい方ですが、変化したくてもできないのが問題です。

 

 

現状維持バイアスは、本人の意識とは関係ない

 

「この環境にずっといたい」

自分の居場所を見つけられたなら、幸せなことかもしれません。

一方で、人は心地よい環境ができあがると、手放すことが難しくなります。

これは人の構造的なものなので、仕組みとして理解いただけたらと思います。

人は、自分を受け入れてもらえたり、自分の存在を認めてもらえることで生きる活力を見出しています。

自分を認めてもらえる環境は、もっとも心地よい空間なのです。

しかし、その心地よい空間に慣れすぎると、今度は変化を恐れるようになります。

たとえば、会社を3年後には辞めて独立または転職したいという人がいます。

年内に候補を決めて、来年早々には結婚したいという人がいます。

今の環境から抜け出すために、移住したいという人がいます。

そんな人たちが、何年経っても変わらないでいるのはなぜでしょうか。

実は、抜け出したくても抜け出せないのが現状維持バイアスであり、本人の意識とは関係なく、「抜け出したくない」と思っていることが理由です。

30歳前後で結婚を考えることや、男は外で働き女は家庭を守る、といったことも昔から続くバイアスです。

現状維持バイアスから抜け出せない親世代、地方の慣習においては、若者は意見のギャップに苦しんでいることでしょう。

これらは、変わらないで続く流れに心地よさを感じるために、ちがう流れについてネガティブさを感じてしまっているという現象です。

 

 

現状維持バイアスの解決策は、変化を受けいれること

 

僕は、コミュニティに所属して心地よくなったら離れるということを繰り返しています。

コミュニティは仲間意識が強まることもあり、離れると友人は減りますが、離れても仲よくしてくれる人とは関係が続いています。

要は、現状維持バイアスから離れるために、心地よい空間から離れているのです。

ただし、家族は還る場所の位置づけなので、まったくの別ものです。

今後、ますます広がる多様性時代においては、一人ひとりの生き方をまわりが認めていくことが大切になります。

誰かとちがう自分に苦しみ、心地よい場所を求める人がより増えていくと思っています。

自分の居場所が見つかることと、変化しないことの区別はつけていきましょう。