愛し合って結婚して夫婦になったのに、毎日を過ごすうちに「なんでこの人と結婚したのかな?」とモヤモヤすることはありませんか?
パートナーを嫌いなわけじゃない。でも、「夫婦関係はこれでいいのか?」「本来、夫婦はどうあるべきなのか?」など考えて、頭の中がごちゃごちゃになってしまう。正解がないテーマだけに、どうやって気持ちを楽にすればいいかわかりにくいですね。
僕は婚活アドバイザーとして活動する中で、様々な人の相談に乗ってきました。話を聞くうちに、夫婦関係の悩みの原因は、自分たち以外の夫婦のあり方を知らないからでは、と感じるようになりました。そこで、いろんなライフスタイルを送る夫婦を紹介して、夫婦関係に悩む人のヒントになるサイトを作ろうと思いました。
「夫婦のカタチ」では、ちょっと変わった生き方をしながらも、強い絆で結ばれている夫婦の考え方や行動を紹介していきます。
今回は、フラワーアレンジメントをされている野村絵美子さん(以下、えみこ)と、弁護士をされているヒロシさん(仮・以下ヒロシ)にお話を伺いました。
10歳以上離れた、年の差カップル。
ラブラブカップルのような表面的に出る愛というより、内に秘めるとても強い純愛が、お話していてゆっくりと伝わってくるような、そんな温かさをお持ちのカップルです。
お二人が知り合ったきっかけは??
ヒロシ:
知り合ったのは、mixiでしたね。
ーーmixi!なつかしい!!
ヒロシ:
オフ会があって、そこで知り合ったんです。
家が割と近かったし、出身地も同じで親しみが湧いたんですよね。
最初は健全にランチに誘いました。
ーー健全にですね。笑
ヒロシ:
その時に2度目の会う約束を。
この人と合うなとすぐに思ったんですけど、我々は年の差が10歳以上あるんですよ。
だから、さっさと付き合わないと「いいお兄ちゃん」的な存在になっちゃうなと思って2回目で告白しました。
えみこ:
え?もう!?ってなりました笑
結婚のきっかけは??

ヒロシ:
僕といてこんな喜んでくれる人はいないなぁって率直に思って、すぐ結婚を意識しました。
その割にプロポーズまでは1年以上かかりましたけどね…笑
旅先でご飯を食べてる時に、妻がぽろぽろ涙を流して。
どうしたの?って聞いたら、「幸せだから」って。その時、すごいグッときました。
えみこ:
過去にいろいろ苦労してたのもあって、なんだかしみじみと嬉しくてつい泣いてしまって。
ヒロシ:
あと、ご飯食べている時に、食べたいものが合うのもよかったです。
僕は女友達の相談に乗ることが多かったんですが、彼氏と別れた友達になんで彼氏と別れたのか聞くと、
「この人と美味しいご飯を食べている将来が想像できない」って理由がけっこうあって。
美味しいご飯を二人で食べてたら、ケンカしてもすぐ仲直りできるかなぁって。
二人で「美味しいね~」ってご飯を食べれることは幸せだなと。
ーーえみこさんはどうでしたか?
えみこ:
彼の印象は…最初ちょっと変わった人だなぁって思いました(笑)
男子校育ちなせいか、トークもかなりマニアックで女子ウケしない感じですね。。。
でも、とても誉め上手なんですよ。
日本人男性ってシャイな人が多いですけど、夫はなんというか、ラテン系。
ーーラテン系!?
えみこ:
そうそう。愛情をめいっぱい言葉にして表してくれるんです。
「今日も可愛いね」、「綺麗だね」、「好きだよ」とか、毎日言ってくれるんですよね。
そんなに言われると、こちらの自己肯定感までアップしちゃうというか。
我ながら、そんなにいいのか?とも思いますが、すごくありがたいです笑
ヒロシ:
恋愛は足し算、結婚は引き算とか言いますけど、そうではなかった。
知るほどプラスになっていく。
それから、笑いのツボが共通するのも大事だと思います。
一緒に笑えるって、いいですよね。
片方だけが楽しんでいるだけだとうまくいかない。
なんでこんなことで笑ってるんだろう?でも楽しいからいいよね!っていう位で良いんじゃないかな。
ーーなにげない日常で笑い合えるのが最高ですよね。
今のお話を聞いているだけで、お二人の日常を感じました。
今の暮らし方は、お二人で相談して決めたんですか??
ヒロシ:
前の家は西日がすごくて…手狭だったこともあり去年引っ越したんです。
今の家は、南向きの部屋で、朝起きてリビングに行くと、サンサンと日が差して気持ちいいんです。
植物と同じで人間も日光を浴びるのはとても大事だと思っています。
それに、妻はインテリアの知識もあるので
フローリングを貼り替えて部屋を明るくしてくれました。
僕は彼女のセンスを全面的に信頼しているので、良かったなぁと。
えみこ:
基本的に2人とも忙しいからこそ、家の環境は大事だなと思っています。
フラワーアレンジメントをされてますが、インテリアにも興味があったんですか?
えみこ:
元々はインテリアやアートに興味があったんですよね。
高校の時は建築家になりたいなとちらっと思っていたのですが
理系科目が苦手すぎて…仕事は関係ない法律の仕事に就きました。笑
その分、休日はインテリアショップや美術館を巡ったりして、
インテリアやアートは本当に好きでした。
仕事で体調を崩してしまった時に、リハビリを兼ねてフラワーアレンジを始めたら、はまってしまったんです。
ーーえみこさんを救ってくれたのがお花だったんですね。
えみこ:
うつ病だと診断されたのですが……
薬を使わなくても、お花だけで回復したんです!!
花の力って本当にすごい!広めたい!って思い、花の世界に飛び込んでしまいました。
お花をやっていくと、花は空間を演出するものでもあるので、そのうちやっぱりインテリアも気になりだしちゃって。
お部屋のインテリア含めて空間全体をつくるところまで関われたらいいなって思って、専門学校に学びに行き、仕事にも繋がりました。
自分で体感してきたこととして、お花やインテリアに共通するのは、人生に大きな影響を及ぼすということ。
自分にとって気持ちいい部屋は過ごしやすいし、夫婦関係も円満でいられる。
暮らし、住まい、住空間は本当に大事だなって思います。
だからいらないものを捨ててスッキリさせたり、
本当に好きなものに囲まれたりするようには意識してます。
ーーステキですね。毎日を気持ちよく過ごせそうです。
2人ともお忙しそうが、ほとんど外食なんですか?
ヒロシ:
6:4ぐらいで外食ですね。
妻がオフィスの近くに来た日は、寄ってもらって一緒に夕食を食べたりします。
妻と美味しいご飯を食べている時が一番の幸せなんです。
僕が行きつけのお店をつくるのが得意なので、そこに二人で行くというのが多いです。
忙しいからこそ、妻との時間は大切にしたいなって思います。
妻を一人にする時間が長くて申し訳ないなと思いますが……
えみこ:
私はそんなに気にならないですが……
ヒロシ:
あ、そうですか(笑)
行きつけのお店を作るのもそうですが、お付き合いのある人とか、僕たち夫婦の「ファン」を増やすのは大事かなって思います。
ファンが増えると、簡単に解散できないんですよね。笑
人からそうやって「仲良しなんですね~」とか言われると、見られている意識が持てますしね。
仲良くしなきゃ、って。笑
ーー周りからのプレッシャーも大事なんですね。笑
勉強になります。
家事分担はどうしてるんですか?
えみこ:
私が家で仕事をしていることもあり、ほとんど家事は私ですね。
夫の余裕のありそうなときにゴミ捨てなど、細々したことをお願いするくらいです。
彼が土日休みの時で、私が出かけるときなどは洗濯物を任せたりもしますね。
料理ができたら言うことないんですけど…
ヒロシ:
すいません。日用品は買うけどね……(ボソ)
えみこ:
あ、そうそう!
足りなくなりそうな日用品を先回りして買ってきてくれます。
たとえ家事できなくても、やる気があるということは伝わるので、まぁいいかなぁって思います。
やっておいたよ!僕えらいでしょ!?っていうアピールがすごくて。
最初イラっとしたんですがなんでイラっとするかを考えると、「私はそれくらい黙ってやってるのにずるい」ってことだったんですね。
それに気づいたら、そっか!私もやったことをほめてもらおう、イラってしてもしょうがないなって思うようにしました。笑
ヒロシ:
独身の時って洗濯も一人、洗い物も一人じゃないですか。
それをやってくれるのは本当に嬉しくて。今でも毎日嬉しく感じます。
奥さんが家事をやるのが当たり前って思わず、なんでもないことでもありがとうとか、うれしいねって言わなきゃなって。
家事分担としては妻に負担をかけてるんですけど、僕にできることは少しでもやれたらって思ってます。
ーー特別な日に感謝のしるしをなにかってわけじゃなく、
普段から特別な”ありがとう”があると、本当に気持ちよく過ごせそうですね。
えみこ:
逆に特別な日に特にやらなくてもいいんじゃないかしら、という気になることもあります…笑
ーー毎日がGIVEだと、そうなりますかね。笑
ヒロシ:
僕は盛大にやりたい派だけどね!
お金の管理はどのようにしているんでしょう??
えみこ:
現時点では、通信費と水道は私で、家賃、食費、その他の光熱費は彼という分担です。
自分にかける保険料は各自で払ってます。
この人は仕事の交際費や勉強のための費用以外はあまりお金を使わない人なので、残った部分を貯金に回してます。
ーーところでヒロシさんはどのようなお仕事をされているんでしたっけ?
ヒロシ:
弁護士と社外役員(監査役)です。
えみこ:
自営業カップルですね。笑
ーーそしたら確定申告もバッチリですね。
ご夫婦トータルでどうお金は管理されていますか?
えみこ:
確定申告はギリギリになりそうで焦ってますが……
家計に関しては、半年に1度ぐらい状況を確認しあうくらいです。
ヒロシ:
妻もどれぐらいお金が余ってるとか教えてくれるので、じゃあ旅行に行こうかって話になったり。
有り余るほどのお金はないですが、食べるのに困らないし、お互い無駄な買い物をしないし、お金のことでもめることはないので、そこも円満の秘訣かもしれないですね。
ーーお金のことでギスギスしちゃう夫婦も多いですからね。
ヒロシ:
独立した一昨年ぐらいは安定してなかったから大変でしたが、切り詰めるってほどでもなかったですね。
元々、とにかくムダ使いしないですからね。
ーーえみこさんも独立3年ですよね。
えみこ:
そうですね、なんとかやってます。笑
サラリーマン時代の貯金もあるのでなんとか…
ーーお二人とも独立時期がほとんど一緒なんですね。
えみこ:
あ、そういえばそうだ!!
ヒロシ:
そうですねぇ。社会人歴も同じぐらいですね。
えみこ:
年の差カップルってどうしても年上のほうが教えたり説教したりとかってあるかもしれませんが、そういう意味では、社会人歴が同じぐらいで平等な感じはあります。
ヒロシ:
むしろこちらが説教受けてる(ボソ)
えみこ:
こういう関係に感謝です。
1日1日を当たり前と思わないこと

ヒロシ:
いつも何かやってくれて「ごめんね」ではなく、「ありがとう」って言えることが大切ですよね。
「ごめんね」って、実は自分に向けて言っていることがほとんどなんじゃないかって思います。
自分を慰めるような。
でも「ありがとう」って、ハッキリ相手に向けた言葉だなあって。
えみこ:
旦那さんがいつも感謝してくれてるって本当に嬉しいです。
ヒロシ:
僕も両親が共働きだったんですけど、父親がまったく家事をやってなくて…あれよりはやろうって思ってましたね。
えみこ:
まあそれは義理の両親がそういう世代だからっていうのもありますけどね。笑
ヒロシ:
忙しすぎて、家事の負担をかけてしまっていて申し訳ないです。
第三者にこうして言うことで、もっとやらなきゃなって肝に銘じてます。
えみこ:
(笑)
ヒロシ:
弁護士の仕事をしていると、たくさん壊れた家庭とかを見ることになります。
仕事をしていると、しみじみ、妻との仲は当たり前じゃないんだなって。
1日1日を当たり前と思わずにいられるというのはありますね。
ーー普段のお仕事も支えになっているということですか。
ヒロシ:
そうですね。幸せ感度が高くなった感じがしますよ。
二人で乗り越えた過去のエピソードはありますか?
ヒロシ:
やっぱり、妻が病気になった時のことですかね。
気付いたら嵐が過ぎ去って、気付いたらフラワーアレンジメントの資格を取ってたけど。笑
えみこ:
結婚したらいい奥さんでいなきゃとか、やりたいことやりたくてもやれないとか・・・それでオーバーヒートしちゃって。
メンタルやられると普通の生活ができないんですよね。
1日20時間ぐらい寝る生活が1ヶ月くらい続きました。
すごい辛かったですが彼がゆっくり休みなよって。
いつも通り、普通に側にいてくれました。
ヒロシ:
最初は有給を使って休んでたんですけど、「給料もらえる専業主婦なんて最強じゃん!」とか冗談で言ったり。
病気の時って悪いこと考えたらキリないじゃないですか。
もし彼女が独身だったらこの先どうしよう…とすごく悩んだかもしれないんですけど。夫婦2人なんだから、一緒に考えようって。
そんな深刻に考えなくてもいいよって。
えみこ:
一般的に、メンタル不調の時って扱いが難しいんですよね。
励ましたりしすぎると逆に良くなくて。でもこの人は接し方がすごくよくできていました。
ヒロシ:
でも内心は罪の意識がありましたよ。彼女のその頃の表情は、今の表情と全然違うんですよね。
毎日いっしょにいると、逆に少しずつの変化に気付けない。気付いてあげられなかったことがたくさんあって、当時は申し訳ない気持ちでした。
妻は真面目なので、頑張っちゃうんですよね。これも必要な休養だなって思って、休んでもらいました。
僕は深刻に受け止めている素振りをできるだけ見せないようにしようと。
ーーそういう時って、知識とかも大事かもしれないけど、思いやりだなって改めて思います。
えみこ:
本当に限界の時、病院で「我慢のしすぎ、あなたは鬱です」ってハッキリ先生に言われて、もう会社行かないようにとドクターストップがかかりました。
号泣しながら、絶対ヤダ!!(会社に行く!)って言って。
その時に夫から、「僕のために休んでくれ、頼む」って言われて。
こうやってお医者さんの前で号泣しちゃう時点でけっこうやばいよって。
ヒロシ:
鬱って暗い部屋の隅っこにうずくまってるイメージがあるかもしれないですけど、一見、普通なんです。
人によって辛さはそれぞれですけど、家族はその状態に、うまく寄り添ってあげたらいいと思います。
ーーお二人の強い絆を感じました。
旦那さんも、彼女を止めることはものすごい勇気が必要だったのではと感じてます。
とても辛かった経験だったかと思いますが、お話いただきありがとうございます。
ヒロシ・えみこ:ありがとうございました。
総括
えみこさんの仕事への熱意や相手との関係づくりの柔軟性、そして温かく見守りながらも、いざという時は体を張ってえみこさんを守ろうとするヒロシさんの愛に感極まりました。
本当に愛のあるカップルというのは、日常と特別をハッキリと分けないんですね。
毎日の中での感謝を忘れない気持ちというのは、良い関係をつくる上で最良の方法と思います。
野村絵美子さんが運営している、オーダーメイドのブリザードフラワー専門店「アトリエ・ノッカ」さんは、心を形にする贈り物選びのお手伝いをしていますよ!

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