恋愛アドバイザーのやっちです。
今日は僕が提供しているメソッドに最もよく出てくる言葉、「自分軸」を掘り下げます。
自分軸を意識して考える思考を、自分軸思考という言葉で表しています。
恋愛を考える上で、ベースとして押さえておくだけで色んな局面であなたを救うことができるお守りみたいな考え方です。
人間関係を考える上で、生きるのがとても楽になるのでなんとなくでも知っておいてほしいです。
目次
自分軸で生きるとは? 自分軸と他人軸を考える
近年では、「自分軸」という言葉がよく出てくるようになりました。
「他人に左右されず、自分の考えや感覚をしっかり持って人生を歩もう」といったものです。
ただ、やっちが言う自分軸は少しちがうようです。
”地頭力”を一気に広めた、思考分野のスペシャリスト、細谷功さんがよく言うメタ認知に近いですね。
メタ認知(メタにんち)とは認知を認知すること。 人間が自分自身を認識する場合において、自分の思考や行動そのものを対象として客観的に把握し認識すること。 それをおこなう能力をメタ認知能力という。
メタ認知 – Wikipedia
やっちの言う自分軸は、自分の思考や行動そのものを対象として客観的に把握し認識することです。
まず考えるべきは、自分の中の自分への意識
自分の行動を意識していますか?
少し離れた位置からあなたの行動を見ていることをイメージしてみてください。
1日の流れとして、朝起きて、ご飯を食べて、職場に行き、家に帰り、ご飯を食べて、寝るとします。
職場であなたはあなたの考え方に基づき会話をしたでしょうか。
上司がやれと言ったから、仕事をやりませんでしたか?
お昼は食べたいものを食べられたでしょうか。同僚や広告に影響されませんでしたか?
今年、〇〇をやるぞ~!という目標に向かって1日を終えられたでしょうか。
自分で決めて、自分の意思で動いているか
自分軸とは、自分で決めて自分の意思で動いていることを差します。
例えば、行きたい大学は自分で決めたと自信をもって言えますか?
もしかすると人や環境の影響を受け、決めさせられているかもしれません。
- 親に気を使って大学を選んだ(実は専門、もしくは就職を考えた)
- 先生や塾から「あなたは〇〇大学が良いだろう」と言われ、大学を決めた
- 大学のある場所のまわりが楽しいところばかりで惹かれた
あくまで参考として聞いていたとしても、実はそれが正しいと思い込もうとして考えてしまうことがあります。
社会人になっても同じで、まわりがそうだから動かされてしまう典型として、車や住宅の購入、そして結婚があります。
自分軸と他人軸が存在する

円は自分軸、四角は自分または他人のテリトリーです。
軸が他人にあれば、その人は他人軸になります。
客観的に見ればわかると思いますが、他人は自分を変えられません。
あなたはあなたが作った円の中にいて、形を変えることはできません。
逆に、あなたも他人を変えることができません。
自分を変えられるのは自分だけということは、とても大切な部分です。
ただし、テリトリーには他人が入ることができます。
人や本に出会って大きな変化があったなどの話は、自分のテリトリーに変化があり、まわりの環境が変わったことで自分に変化があったと考えられます。
他人軸で生きる人
現代は他人軸で生きてしまう人で溢れています。
自分軸がしっかりと作られていない場合、他人から受ける影響が大きいため、他人軸になりやすくなります。
例えば、上司が言うからそうする、これが流行っているから自分もやる、というのは他人軸になります。
恋愛で言えば、相手がしてほしい髪型・服装・化粧にする、相手の考え方に賛同できなくても合わせる状態です。
依存している人にはありがちですが、自分がどうしたいかより、相手がどうしたいかが先で、それについて自分がどう行動するかを決めます。
ただ、他人軸で生きることで社会に大きく貢献している人たちがいます。
それは、秘書やホテルに勤める人など、誰かに従事することで自分も相手も輝くような人たちです。
恋愛においては他人軸で生きることはやっかいなものになりますが、仕事で考えたときは必ずしもそうとは言い切れません。
完全に相手に奉仕して生きる人も確かに存在しますが、稀な話です。
恋人の自分軸と他人軸
恋人を他人として捉える人と、自分として捉える人がいます。
当たり前ではありますが、恋人は他人ですよね。
恋人を自分として捉えるとはどういうことなのでしょうか。
それは、相手のことを自分事にできるということです。
恋人を他人軸として捉える人

多くの人がこの考え方になります。
表面的には、自分以外のすべての人は他人だからです。
円で言うと、自分軸と他人軸が存在している状態です。
ただテリトリーは共有しています。お互いの大体のことはわかっている状態です。
そこには自分の領域が存在し、やわらかく円が重なる時と、ぶつかり合うように重なる時があります。
相手に何かあったとしても、それは自分軸の外の出来事であり、あくまで客観的な目で現実を捉えています。
例えば、相手に大きな事故があり一生モノの傷を負ってしまった場合、支えきれずに別れてしまう人がいます。
別れてしまう根本の理由は、自分事ではないからと言えるでしょう。
また、共働きの夫婦がいたとします。
旦那さんが家事をやらないで奥さんが家事をやっている状態で、奥さんはそれに対して不服に思っているような状態です。
旦那さんのことで不服に思っている奥さんに対し、旦那さんは自分のせいでそうなっているにも関わらず、他人事になっているわけです。
恋人を自分軸として捉える人

他人軸が自分軸になっている状態です。
これを僕は、共生感覚と呼んでいます(心理学者のアルフレッド・アドラーは類似した事象を共同体感覚と呼んでいました)。
他人に何かあれば、それは自分事として認識します。
相手が辛そうならこちらも辛くなる、相手が嬉しいと、こちらも嬉しくなる。
まるで鏡のようですね。
テリトリーを共有するだけでなく、軸が重なっています。
運命共同体とはまさにこのことで、とても強い繋がりをもっています。
例えば、自分の不安とイライラがピークの時。
そんな状態の時に、恋人に「とても嫌なことがあったのでグチを聞いてほしい」と言われたら、「こっちも大変なんだ!」と怒るかもしれません。
しかし、共生感覚の場合では、自分事なので「どうしたの?」と自分のイライラを癒やすかのごとく、話を聞くことができます。
自分の状態がいかに過酷であっても、相手のことを自分事に扱えるのです。
なぜなら、自分のイライラは相手事であり、相手のイライラは自分事であるため、自分を癒すためには両方を同時に考える必要があるからです。
同じ事象に対して、反応を自分軸と他人軸とで比べてみる
あなたはずっと楽しみにしていた某テーマパークでのデート当日を迎えました。
彼がせっかくデートに来たのに、始まって1時間もしないうちにお腹が痛くなってしまい、トイレに駆け込んだとします。
今日の目的だったアトラクションはすぐに埋まってしまうから急がなくてはならない。
彼を待つあなた。しばらく出てきません。
相手を他人軸として捉えた場合
「大丈夫かな」という心配。
「体調を整えておいてほしい」という怒り。
「けっこう時間かかるな」という焦り。
「我慢するべきか、怒るべきか」という葛藤。
あなたはあれこれ考えるでしょう。
一見、「そうなるよね」と思うかもしれません。
これは心配はするけど自分事ではない状態です。
もっと言えば、「人が困ったときは心配するのが人間の在り方だ」という正しい反応を示そうとします。
絶対的な存在である相手を心配するというより、当然、自分はまともな人間だから心配するという力に引っ張られている状態です。
相手を自分軸として捉えた場合
「最初からこんなスタートになってしまったことを謝らないと……本当に申し訳ない。でもお腹痛いの治らないし、本当に困った。もうこんな時間。彼女はどんな気持ちで待っているかな」
このような彼の気持ちを考えた上で、出てきた時にかける一声。
「体調不良なのに来てくれたの? ありがとう」
付け加えるなら、「今日は遊園地に行く予定だったけど、公園でのんびりしようか」とでも言うでしょう。
これは彼に優しくしているというよりは、自分がこのような状態になった時にどうしたいかを話しています。
彼の痛みは自分の痛み。その日、自分がそうしたいであろう方向性を考えます。
当然、彼女が喜んでくれたり、うれしくなったりすると自分に同じような感情が出るので、彼女の反応を見ながら行動を考えていきます。
大切なことは、彼女がうれしくなるのも苦しくなるのも、すべて自分の感情に繋がっているということです。
共生感覚は、自分軸に他人軸が重なっているので、自分事で考えることができます。
相手事は自分事。自分のことと思って相手と接するのです。
片側が他人軸の捉え方だった場合
ここで問題になるのが、自分に共生感覚があったとしても、相手が自分を他人軸として捉えている場合。
先ほどのテーマパークの例で言えば、相手は無理して行動を続けるか、自分を責め続けるか、を選択するでしょう。
ひどい場合は、楽しみにしていた時間を奪ったストレスをぶつけてくるかもしれません。
相手が自分軸として、自分の円の中にいないので、相手にどのように振舞うことが自分の幸せにつながってくるのかが見えません。
つまり自分と他人が切り離されているため、他人が喜ぶことで自分が喜ぶという流れができていません。
こちらから積極的に価値観を自己開示したり、相手の気持ちに寄り添うことで、少しずつ相手も影響を受けてくるでしょう。
何度も言いますが、他人は変えられません。しかし影響を与えることはできます。
あなたが共生感覚を持って相手と接することができるのであれば、現実は変わってきます。
「どうしてこの人は自分のためにそこまで考えてくれるのか」と思考を巡らせ、やがてそういう考え方が自分でもできるようになってくるのです。
自分軸思考を身につければ、夫婦はうまくいく
難しいお話を続けてしまいました。
ですので、是非とも実践の中で試してみていただき、頭だけでなく五感で感じていただきたいのです。
自分軸思考を身につければ、カップル・夫婦は必ずうまくいくと考えています。
パートナーシップの土台となるものが自分軸思考だからです。
まだパートナーがおらず婚活をスタートするにしても、まずは自分の在りかたを見つめ直し、軸を作ってみてはいかがでしょうか。
パートナーとの関係づくりは色々な定説がありますが、自分と相手との距離がどのようになっているかを考えてみるとよいでしょう。
まずは自分の軸を作ること。
相手の軸を認めること。
歩み寄ってみること。
その先には、相手事が自分事、という領域があります。
独立した2人だからこそ、共生することでお互いを高め合う人生を送れるのです。