読書感想文を書き続けるやっちです。
今回は読書でなく映画。
妻に「人っぽくない映画がいい」と言われ、可能性を信じて『億男』を観ました。
原作は川村元気さん。
お金にまつわる映画でしたので、『カイジ』や『闇金ウシジマくん』などお金をめぐり人間の欲望にまみれるパターンを想像していました。
しかし、見事に裏切られ、お金についてスマートに学べる内容でした。
映画そのものを楽しめて、ストーリーを通じて本を読むようにお金のことを学べるので、とても有意義な時間となりました。
友人を信じるということ
主人公は、宝くじで3憶当てます。
それで、借金さえ返せればいい主人公は、残りのお金の使い方に悩みます。
そこで起業家であり昔からの親友である人間に相談にいくわけです。
「まずは使ってみたら」
親友からの提案を受け、いわゆる豪遊してみる彼。
そして、朝起きてみると親友と3憶円が消えてしまいます。
親友を探し回る旅の始まりです。
しかし、とても驚いたものの主人公は親友を信じています。
信じる証拠を集めるかのごとく、親友と共に会社を経営していたかつての仲間に、行方を聞いて回るのです。
3憶を持ち逃げされたら、さすがに裏切られたと思いませんか?
旅で深まる絆
学生の頃、モロッコに2人旅をしました。
主人公は道端で倒れ、親友に介護されるシーンも。
親友は彼に打ち明けます。
「帰ったら起業する。バイトの金を株で少しずつ増やして、1憶貯めた」
それを聞いた主人公は、自分と親友の世界の違いを目の当たりにします。
旅の回想シーンは2人の絆をよく描いていて、本当に仲がよかったということがわかります。
宝くじが当たり、その親友に相談したのも納得しました。
人の絆って何で深まるのかなって、ふと思いました。
まず、トラブルがあって、それをどう乗り越えたかがポイントとなるでしょう。
学生時代であれば、部活や勉強での悩みを共有した友人は仲が深まりそうです。
夫婦であれば、お金、生活、仕事などのことで何かとトラブルはあるでしょう。
乗り越え方も重要で、お互いによく話し合っている、つまり共有しながら乗り越えていると、どうやら絆は深まっていきそうです。
ひとりだけが突っ走って乗り越えても、必ずしも仲は深まらないでしょう。
藤原竜也が出ていた
今回の映画でもっとも驚いたのは、藤原竜也が出ていたことです。
最初にキャストを観ればわかるだろうと言われそうですが、僕は基本的に主人公とヒロインぐらいしかキャストを見ません。
重要な役でもありましたので、驚きを味わったあとは、藤原竜也節を楽しみました。
藤原竜也はいつも自分を痛めつけてばかりですので、今回もお金に苦しめられるのかと思いました。
しかし、今回はお金を奪われる側ではなく奪う側でした。
映画の中では、本人は奪っているつもりはないようでしたが、しっかり奪っています。
ただ、主人公に3憶を奪って逃げたと思われる親友の手がかりを教えてくれたので、普通にいい人です。
最終的に暴走するのではと期待して観ていましたが、ただのいい人でした。
ただ、それはあくまで僕の目から観てのいい人であり、暴走もしているのかしていないのかわかりません。
このように、出てくるだけで僕と妻に何かを期待させる藤原竜也を、本当に尊敬しているし、すごい俳優さんだと改めて思います。
億男の魅力
億男は、ストーリーを通じてお金とは何か? をとことん考えさせてくれます。
お金はそれ自体に価値があるものではなく、価値を決めるのは人であるとはよく言われます。
ただ、このストーリーにはまた別の「お金とは何か」を考えさせる力があると感じています。
泥にまみれるお金争奪戦とも、お金よりも大切なものに気づくといったものとも違います。
主人公の親友は、お金の正体をつかむために長期で戦っていました。
お金とは何かを誰かに語られる度に、考えが変わっていく主人公の様子は、視聴者にも通ずるものがあると思います。