【読書感想】社会に出たらまず、『知的生活の設計 「10年後の自分」を支える83の戦略』を読むべき
やっちです。
知的生活の設計 「10年後の自分」を支える83の戦略を読みました。
突然ですが、これまでの経験をすべて言葉にして言えますか?
得た情報を、生活や仕事にどのように活かせていますか?
「これまでの経験はすべて糧になっている」というのは本当だろうか。
もし履歴を残していなくて、かつ振り返りもしないままその言葉を使うのであれば、妄想かもしれません。
自分の中で埋もれてしまっている、重要な経験を置き去りにしている可能性があります。
経験の棚卸しをしながら、丁寧に編み込み、何かしらの形で世の中に発信していきたいのであれば、必ず力になってくれる本と感じています。
情報が整理されている状態とは?
『知的生産の技術』の著者である梅棹忠夫氏は「情報が整理されている状態」をこう定義していると、本書で紹介がありました。
必要なものが必要なときに取り出せるようになっている状態
自宅や会社でも、「整理整頓をしましょう」って言いますが、整理できる人と整頓できる人がいます。
整理は、空間を整えること。
整頓は、どこに何があるかわかること。
「情報が整理されている」は、整理整頓ってことだと思うんです。
友人と話していて、すごく美味しかったお菓子の製造元がどうしてもわからなかったとします。
「たしかメモした記憶があって、Evernoteに入れたような……あれ、ないぞ」
実際には、以前使っていたiPhoneのメモに入っていたなんてことも。
あまり整えすぎることもありませんが、検索と出力は早いに越したことはありません。
デジタルだけの話ではなく、ノートに書くにしても目録さえ書いておけば、どこに何が書いてあるのかすぐにわかります。
3ヶ月ごとにノートが変わってしまう場合であっても、デジタルに目録を書いておけばどのノートに何が書いてあるのか一目瞭然。
いかに時間をかけずに自分のかすかな記憶を一気に引き寄せられるかが情報整理の本質と思います。
本書は、情報整理シンプルにわかりやすく解説してくれているのです。
経験というたくさんの点を、線でつなごう
堀さんは本書の中でこのような問いかけをしています。
ここしばらくの一冊一冊の読書が点と点になって、なにか自分だけに見えるパターンを生み出しているか?
読書の話に限りませんが、ある程度の数をこなしたとき、それらが繋がって自分が作り出したいものを生むことが重要ではないでしょうか。
僕は、20代のときは点ばかり集める読書をしていました。
課題があったときの参考に、あるいは誰かに紹介された本を読んでは満足し、なんとなく頭がよくなったような気がしていたのです。
以前アメブロに、本の要約と感想を書き綴っていました。
ただ、それが活きることはありませんでした。
読書をしたこと、ブログを書いたことの事実が積み重なっていただけだったのです。
自分だけに見える考察によって生み出された何かをつかめていない。
そして、それらの経験という点が線でつながり、積み上がっていなかったことを知りました。
あなたは、点を線で結べているでしょうか。
線で結べたのでしたら、考察する時間を取れているでしょうか。
考察できたなら、自分だけの何かを生み出せているでしょうか。
本書にはそれら一連の流れに使える方法やツールが丁寧に書かれています。
たとえば、読書メモはEvernoteへ、WebはEvernoteウェブクリップ、思いつきは手帳などに残すと記載されています。
それらを情報カードに蓄積し、執筆環境であるUlyssesに落とし込むとのこと。
これは、ブログを作成する際にも使える流れかと思います。
情報を情報のままただ保管するのではなく、自分だけのオリジナルの発信につなげるためのフローを作り込んでいきます。
すべての経験は脳に記録されているわけですが、私たちはそれをすべて認識できません。
ただ、刺激によって思い出されることはあります。
それを「偶然のひらめき」として認識することがあるかもしれません。
点をつなぐ作業は、できる限り偶然を必然にするための作業ともいえるでしょう。
10年後の自分に、「積み上げ」を伝えるために
10年前の自分のことをふと思い出してみると、たくさんのことをやってきたと思います。
ちょうど20代の盛んな時期でした。
読書はずっと好きでしたし、何かと人に会ったり、セミナーに行ったりしていました。
特にリーマンショックや東日本大震災のときの自分のすべてを記録していたら、どうなっていただろうと考えます。
自分を記録する手段はたくさんありました。
当時使っていたスケジュール帳、なんでも書いていたノート、アメブロなど。
でもそれらはどこにいってしまったかわからないのです。
ただ、確かに何か刺激のある経験をしたし、発見もあったことはわかります。
知りたいのは、その中身です。
そして、事実だけでなく、自分はそれを受けてどんな感情を抱き、何に繋がったのか。
そんな自分が、今の自分にどのような影響を与えているのか。
今からでも遅くありません。
10年後の自分のために、1日を丁寧に過ごし、一つひとつの経験の記録を残していく。
その考え方、やり方、ツールの紹介などすべてが本書にそろっています。
まず1ヶ月、それができたら1年続けられるかもしれません。
10年後の自分がなぜ今の自分になったのか振り返るときに、細かな自分史が手元にあったとします。
自分史があることは、確かに自分が自分として生きてきたことの証明になるでしょう。
雑談
本書を読んでいて、気になった箇所は音読して音声入力でGoogleドキュメントに入れる、という作業の実験をしました。
すると、見事に失敗。
以下は、音声入力したものと、本に書いてあったものの引用です。
橿原市の創作活動のための準備をしていた頃登場人物や舞台設定などの細かい情報をどのようにしてまとめればいいのかという悩みを持っていたことがありましたそれなりの量があるのでルーズリーフに冷やして空気を入れ替え可能にすればいいですかそれともノートをゆっくりじっくり進めていけばいいのか対応施工作業をしていたが結局落ち着いたのは何かを思いつくたびに番号を入れながら時系列順にそれを変えていくという方法でも進化した部分に補強した図面がそれを後でかける場合は外の項目と元の項目の番号ですお互いに干渉させるという工夫がしていましたが金的には思いつきあの道は後から12名よろしいんしていましたそれから何年も経ちましたが未だに私はこの本大久保店跡地書いている時は取り憑かれたようにひたすら書きますがそこにつながりや行動が見えてくるのは飛行機ホテルが覚め私の気持ちと書かれたものの間に少し距離が生まれてくるのでディズニーシーに行きがふらふらで来る要人は平日でも行ける性生活でしたほうがいいと思いますその他の人にはノートが最適と言っているして
本書からの引用はこちら。
昔、私が創作活動のための準備をしていた頃、登場人物や舞台設定などの細かい情報をどのようにしてまとめればいいのかという悩みをもっていたことがありました。それなりの量があるので、ルーズリーフに書き出してページを入れ替え可能にすればいいだろうか、それともノートを10ページずつに区切って埋めていけばいいのかといったように試行錯誤をしていたわけです。結局落ち着いたのは、なにかを思いつくたびに、番号を入れながら時系列順にそれを書いてゆくという方法でした。もし変化した部分や補強した部分があってそれをあとで書き出す場合は、あとの項目ともとの項目の番号同士を互いにさんsん法させるという工夫はしていましたが、基本的には思いつくままに書き、構造はあとから自然に見えてくると信じていました。それから何年も経ちましたが、いまだに私はこの方法を踏襲してノートや手帳に向き合っています。書いているときは、取り憑かれたようにひたすら書きますが、そこにつながりや構造が見えてくるのは、思考の火照りが冷め、私の気持ちと書かれたもののあいだに、少し距離が生まれてからなのです。自分自身の内側からあふれてくる情報は、整理するよりも、時系列のなかで蓄積していくほうが向いています。そのために使うのはノートが最適と言っていいでしょう。
精度はどんどん上がるんでしょうけど、読書メモはノートに書いたりEvernoteに残しておくのが賢明かもって改めて思いました。
読書のリズムというか、読書からメモ、メモや感想からの着想など、自分に合う呼吸があるなと。
効率だけがすべてではないですからね。
みんなちがってみんないい。